南仏エクスアンプロバンスとコートブルーめぐり
2006年夏のバカンス旅行



06-08-15 火

(ヴァンタブロン村)

 友人のヴァレリー嬢から、一度、南仏のエクスアンプロバンスへ遊びに来ないかとのお誘いがあり、機会をねらっていたが、ようやく夏のバカンス旅行を兼ねて訪ねることにした。

 朝一番のTGVでパリ・リヨン駅からひたすら平原と丘陵を走りぬけ、直通3時間余で、11時に最初の停車駅エクスアンプロバンスに着く。
 この新駅の周りには何もない。ただ、TGV新幹線の超モダンな駅舎があるだけで、日本の新幹線開通当時の新横浜駅を思い出させる。



 しかし、切符の購入はインターネットで、いくつもの割引料金がある。
例えば、シルバー、
進行方向、時間帯、季節、空席、往復、解約不可等の組み合わせで、通常往復で300ユーロする切符が150ユーロ以下で買える。
切符もインターネットでA4紙一枚の大きさで出てくる。




 ヴァレリーは駅から数キロ離れたヴァンタブロンという村はずれの広い芝生とプールのある民宿の離れをアパート代わりに契約しており、年中避暑地にいる感じの優雅な生活をしている。


 まわりはすべて南仏特有の松や潅木に覆われ、赤い屋根瓦とともにむしろスペイン風といっても良い。写真は丘の上の教会の廃墟跡。


 そのまた友人のジャンジャックも来てくれて、芝生にテーブルを出して早速昼食となった。
今年は気温が低いので、南仏の太陽をいっぱいに受けても少しも暑くない。どうしてこんな優雅な日常生活が存在するのか羨ましい。

 久しぶりの再会に話が弾み、3時過ぎに南仏プロバンス地方の中心で中世以来の文化都市のエクスアンプロバンスを案内して貰うことになった。文化遺産も多いが何といってもセザンヌが一生を送った町で、遠くにモチーフとして使われたサント・ヴィクトワール山が見える。
 紀元前124年にローマの将軍セクスチウスが100以上もある泉や噴水のあるこの地を治めたとされる。



 大学や外国人学生の語学学校や日本人留学生も多く滞在しているという。


 この町の北東20kmのところあるカダラッシュに日仏両国が最後まで誘致を争った将来の理想的エネルギー源となる国際熱核融合実験炉プロジェクトの本拠地となるITERの建設が進んでいる。

 中世以来の文化と超最先端の科学が融合するこの町を見学したあと、この町一番の日本レストラン"YOUJI"ヘ行ったが、日本人従業員はひとりも居ないにもかかわらず、大繁盛していた。 
 
その秘訣はてんぷらは盛りだくさんで、すき焼きも肉がふんだんに出て安い、それが仏人に受けているらしい。ご愛嬌はすき焼きではなく、スキ煮であった。

06−08−16 水

 すっかり南仏のエクスアンプロバンスやコートブルーといわれているマルセイユ以西の海岸の町が好きになってしまい、将来ここに住みたいという夢みたいなことを考え始めた。

 カリー港のマリンショップでこの辺の潜りの情報を仕入れたついでにどこかいいアパートはないかと聞いたら、近くの賃貸マンションを紹介してくれた。

 塀に囲まれた広い敷地でプールのある3階建てのマンションの2−3階で3部屋で月580ユーロの家賃だから、決して夢ではない。2−3年好きな潜りをこの南仏で楽しむのも悪くないなと思い込んでしまった。


 マリンショップの親父に教えてもらった潜りのスポットを、遊歩道路に沿って散歩した。
 生憎の強風で波が荒く、もぐるのは諦めたが、それでも潜りの達人が居て、その獲物をみせてもらった。貝は居ないのかと質問すると、もっと先のカロに行けという。明日ゆくことに決めた。



 すっかり疲れて、夕食はカリー港に面したピッツア・レストラン、カリー・ルルエに入った。


メニュは以下の通りである。
A:前菜 ミックスビザ
  主菜 カサゴのソテ、粒マスタードソース、南仏野菜付合せ

B:前菜 パンタード(ほろほろ鳥)の入ったサラダ
  主菜 豚モモ肉の焼いたもの、南仏野菜の付合せ

  飲み物 コト ド プロバンス ロゼワイン

料金:二人分計 62ユーロ

例によって、一品ずつ取り、半分っこして2倍楽しむことにする。満足すべき選択でロゼワインも軽く一本空いてしまった。


 ヴァレリーの車を借りているので、自分たちだけで帰らねばならぬ。真っ暗の田舎道を帰るのは大変だった。聞く人も居なければ、見る標識もない。2−3ヶ所間違えたがようやく12時過ぎにたどり着くことが出来た。

06−08−17 木

 TGVの駅まで送って貰い、ここで別かれて、レンタカーを借り、カロへ向かった。途中、オートルートを間違え、マルセイユの町に入ってしまったので、そのまま丘の上の寺院、
船乗りの守り神、ノートルダム・ドラガルド寺院に上る。



 154mの丘の上の46mの寺院から360度の展望が開ける。ビザンチン様式の荘厳な寺院の壁にも、第二次大戦の弾痕が生々しく刻まれている。

 同じ壁に、航海安全祈願のパネルが無数に刻まれていて、日本の金毘羅さんに例えたら叱られるだろうか。

 眼下にびっしりと建物が建つ街中に立派なサッカーグランドが見えたが、サッカーの強い理由がわかった。



 一路カロへ急ぐ。
途中、マルチグの観光案内所でカロの資料と情報を仕入れる。最後に必ずどこから来たかとアンケート調査するので、日本から来たというと目を丸くして驚く。決してウソではない。

 カロの港へ着くと、海辺りで子供たちがペタンクを真剣にやっている。驚くほどうまい。道の向かいに当市のペタンク協会がある。うまいハズだ。


 カフェに入ると、ちょうど地元の漁師が居たのでいろいろ質問したら、最初は警戒していたが、実害なしとわかったのだろう、親切に貝や海老・蟹の穴場を教えてくれた。

 途中、ウィンドサーフィンのキャンピングカーのキャンプ場になっていて、イギリスやドイツから若者が集まってきている。こちらも往年の名サーファー(?)だったのですっかり興奮してしまった。

 サーファーショップに入り、話すうちになんと機材の進歩には驚くばかりだった。1976年に南仏でウィンドサーフィンを初めて見て、水澄ましのようにすいすい海上を進むウィンドサーフィンに、帰国後すっかり病みつきなってしまった。あれから30年経っている。

 カロ港を後にレストランのあるベルデン海水浴場に向かう。



 南仏海岸には家族ずれで楽しめる広い砂浜が意外と少なく、小さな入り江に日光浴に来ている家族が多い。

ここは専用駐車場付で常設の海の小屋レストランが数件あって設備が整っている。ここで食べた、海の幸盛り合わせとイカのから揚げはうまかった。
イカのから揚げは大半食べてしまったが、メニュはイカのとおり。
A:イカのから揚げ、ラタトウイラタユ添え

B:海の幸の焼き物盛り合わせ、サバ、マグロ、カジキ、エビ、ムー   ル貝、イカ ラタトウイラタユ添え

飲み物:ロゼのカラフ

料金:46ユーロ



 この後、漁師に教えてもらった灯台下を見たが波風が強く、とても潜れる状態ではない。
しばらく海岸沿いに走ると、カリーの隣町のソセーに着く。ヨットの浮かぶ避暑地だが、カリーよりずっと鄙びた感じた。

 ソセーをそこそこに最後の目的地エクスアンプロバンスの北にあるセザンヌのアトリエに向かう。帰りのTGVにあと1時間あまりしかない。途中、道に迷って焦ったが、何とか辿り着く。

 セザンヌが自分で建てたアトリエも当時はサント・ヴィクトワール山がよく見えたのだろうが、今は木立に覆われ、何も見えない。折から、"セザンヌ展"をやっているので大勢の観光客でにぎわっていた。


 アトリエの周辺の斜面には、安アパート群が立ち並び、サント・ヴィクトワール山の景観を独り占めし、興ざめだ。

 レンタカー一日借りて、わずか100ユーロ前後で、TGVエクスアンプロバンス駅前で返す。

 駅のまわりには何もないが、エクスアンプロバンスやコートブルーの町へ行くと、そこは文化とバカンスの避暑地で、夏の太陽を求めてやってきた人たちでいっぱいだ。

 海の見えるアパルトマンで悠々自適?、好きな素もぐりで余生?を過ごす、こんな夢を是非実現したいと思った今回の短い、今年の夏のバカンス旅行だった。